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活動報告
2015.08.07

歴史手習塾セミナー20 開催レポート

2015年7月19日20日に歴史手習塾セミナー20を開催しました。
開催の状況をレポートします。

歴史手習塾セミナー20を開催しました!

「歴史都市彦根で学ぶ戦国時代・江戸時代」をテーマとして2010年から開催している歴史手習塾レギュラー講座。第20回目となる講座を2015年7月19日(日)20日(月・祝)に井伊直弼公ゆかりの清凉寺で開催しました。 講師は歴史手習塾に毎年講師としてお越しいただき、現在放映中のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の時代考証を務めておられる、東京学芸大学教授大石学先生。 両日とも照りつける夏の日差しで気温が30度を超える暑さの中、受講者の皆様は熱心に講義を受講下さいました。 また、19日の夜には、大石学先生を囲んでの「大石学と語り食す会」を開催。大石先生と食事を楽しみながら、受講者と懇親を深めていただく場となりました。

講座の様子

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講師 大石学先生からの講演の概要をいただきました

セミナー20「勝者から敗者へ-德川将軍家がたどった道-」は、2015年7月19日(日)、20日(月)の2日間、清凉寺でおこなわれた。 19日の第1講「家康の天下統一-井伊家第1の『開国』=『開国の元勲』井伊直政」は、今年没後400年にあたる徳川家康の天下統一が、100年におよぶ戦国時代を克服し、265年にわたる世界史でもまれな長期の「平和」を実現した意義をもつこと、その過程で、井伊直政が大活躍し、家康が「開国の元勲」(『新訂寛政重修諸家譜』巻12)と評価して、6万石を加え計18万石として、上野国高崎城から近江国佐和山城に転封したことを話した。
20日の第2講「幕末維新の新視点-井伊直弼『第2の開国』-」は、直弼の日米修好通商条約締結をめぐる幕末の政争について、「西高東低」史観がら解放される必要があること、直弼の「開国」(欧米諸国との自由貿易開始)は日本の近代化にとって不可避の道であったことを話した。
また、19日夜にグランドデュークホテルで開かれた「大石学と語り食す会」では、「井伊直弼と幕末政治-彦根発、第3の『日本開国』の提案-」として、彦根城、彦根遷都、井伊直弼の評価など、史料をもとに説明し、NPO法人ひこね文化デザインフォーラム理事谷口徹さんと、大河ドラマ「花燃ゆ」の直弼に関するシーン、彦根城の世界遺産へ の期待などについて話した。
2日間の講義を通して、江戸時代の始めと終わりに、彦根井伊家が徳川家を勝者とする「開国」と、敗者へと導く「開国」をおこなったことを指摘した。そのうえで、第1、第2の「開国」が国内、対外関係に「平和」を もたらした意義を述べ、将来、第3の彦根発の、日本と世界に「平和」を発信する「開国」が期待されると課題を提起した。